「働き方改革」時代における 若手育成を考える 〜調査結果から見えた実態と対策〜
労働人口の減少により人材の売り手市場が続く中、いかに効率的に新入社員を育てるかは、企業の共通課題だ。日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が行った調査によると、若手育成のポイントは「経験学習力」だという。全国各地で若手育成セミナーの講師を務める、JMAM カスタマーリレーション部 企画推進2部長の斎木輝之氏に、その背景や真意について聞いた。
印象は「おとなしく・利己的」
2017年の新入社員に、教育担当者が抱いた最多の印象は「おとなしい」でした。他には「まじめ」「素直」「受け身」などが挙がりました。
これは、いわゆるデジタルネイティブ世代であることが影響しています。必要な情報はすぐに検索できることや、経済状況は楽観視できないことなど認識しているため、総じて冷静で、極めて現実的に物事を判断しています。その結果、景気や情報に左右されず、静々と我が道を進む傾向が強い。これらが、上の世代の目には「おとなしく・利己的」に映っていると言えます。
この影響もあってか、本年度の新入社員に対して行った弊社の体験型研修でも、自分のことで手一杯で、困っている他者に助け船を出せないという協調性に欠ける様子を、多くの講師が指摘しました。
導入研修後は自律的な成長を期待したいところですが、期待行動レベルの確保や離職防止のためには「OJTの強化」も行いながら、「自ら育つ」環境づくりが重要となります。