スペシャルコラム 88歳でも、現役で活躍 目標があるから、頑張れる!生涯、生き生き働き続ける秘訣
化粧品製造・販売大手のポーラには、現在約4万2000人の
ビューティーディレクター(美容部員)が登録している。
そのうち約2600人は80 代、約300人は90 代の女性だ。
彼女たちは、若手にとってのロールモデルとなり、
「若い子に負けていられない」「後輩をもっと育てなきゃ」と、
モチベーションを高めているという。
現役ビューティーディレクターとして働く、千葉県船橋市のポーラ大志ショップ
ショップマネージャーの檜山八重氏(88)に、いつまでも現役として活躍し続ける秘訣を聞いた。
奉仕の気持ちがお客様に伝わる
―いつからポーラで働いているのですか?
檜山
1971年、41歳の時に美容部員として登録しました。
きっかけは、もともと美容が好きだったから。美容学校に通っていたし、着付けや日本髪、美顔術なども習っていました。子どもが生まれた時に、子育てをしながら働ける仕事を探していたら、たまたま友達に「ポーラにこういう仕事があるのよ」と誘われて、講習会に参加してみたんです。そこで「面白そう、素敵なお仕事だな」と思って登録を決めました。
ポーラレディ(ビューティーディレクターの旧称)の仕事は、お客様のお宅を訪問して、きれいにしてさしあげること。そうして大好きな美容に関われることや、お客様に喜んでいただけることが楽しかったんです。やっぱり、人に喜んでいただけたらうれしいじゃないですか。それを毎日繰り返しているうちに、お客様もどんどん増えていきました。
―お客様に喜んでもらうために、具体的にどんなことをしていますか?
檜山
私は、ただ商品を売るだけではなくて、お顔のお手入れもしていました。それが好きだったから。そうしたら、いつの間にか長い時間が経ってしまって。現在担当しているお客様は、70 ~ 80人で、中には40 年以上のお付き合いになる方もいるんですよ。そうなると親戚以上の付き合いですね。
今でもお客様と接する時は、商品のお届けに加え、必ずお顔のお手入れをしています。肌のお手入れをしてさしあげることで、本当の人間関係ができるのかなと思います。肌に触れると、お互いに許し合える仲になれますよね。お手入れに関しては、商品代だけはもらうけど、お手入れの代金は頂きません。上司にいつも、「商品を販売することが奉仕じゃないよ。お手入れをすることが奉仕だよ」と教わっていて、それが習慣づいていたんですね。そんな奉仕の気持ちがお客様にも伝わるのかな。
お客様のお子さんの七五三の時に、朝5時起きで駆けつけて、無償で着付けをしてさしあげることもたくさんありました。やはり、求めるより奉仕が先ですよね。そういう精神は上司の教えだから、きっと上司がよかったのだと思います。