J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年08月号

社労士が斬る イマドキお悩み相談 第17回 “ストレス低耐性社員” とどう接する?

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。


藤原英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。

[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉 あきこ

第17回 “ストレス低耐性社員” とどう接する?

最近、異動してきた若手社員。異動直後は慣れない部分もあったが、周囲のサポートもあり、いい仕事をするようになってきた。ところが最近、メンタル不調で病院に通っているという。実はもともとストレスに強いほうではないらしい。症状はまだ軽く、これまで通り働きながら治していきたいようだが、本人とどう向き合っていけば良いのだろうか。

ストレスの感じ方は人それぞれ

ストレスの少ない職場環境づくりに励んでいる会社なのに、社員がメンタル不調で通院している―。これはそう珍しくない話です。普通の人ならば気にならない些細なことでも、ストレスに弱い人からすれば「とても耐えられない」ということがありますし、職場外のストレスが原因で、コンディションを崩す人もいます。

そんな弱い社員のことまで心配していられないと思うかもしれません。しかし、もしうつ病になれば、それは自殺の原因になるほど深刻な病です。労災認定されたケースも多く、放置するわけにはいきません。

個別ケアが必要

ストレスによる病気に関する労災認定や裁判では、業務による心理的負荷と病気に因果関係があるかどうかが論点になりますが、そこではあくまでも「病気になった本人」を基準に考えることになっています。つまり、ストレスに弱い人であれば、比較的容易にストレスと病気の因果関係が認められるため「この程度では病気にならないだろう」という言い分は通用しないのです。もし、職場のストレスが病気の原因だと認められたら、職場の安全配慮義務に違反しているということになります。その後は、雇用主の責任において、休職・休業損害・慰謝料・復帰支援、といった対応が必要になります。

結論としては、職場のストレスについて考える時、単に客観的なストレスの強度を考えるだけでは不十分だということです。会社として「安全配慮義務を果たしている」と主張するためには、従業員一人ひとりのストレス耐性に合わせて、きめ細かな対応をしていかなければなりません。特に今回の事例のように、既に病気と診断されて通院しているという場合、個別対応は必須です。心臓の弱い人にハードな運動をさせてはならないのと同じです。

職場のストレスコントロール

そうはいっても、ストレスが全くない職場というのはおよそ考えられません。育成には一定のストレス(緊張感)が必要な場合もありますし、顧客や取引先との人間関係でもあつれきをゼロにすることはできないでしょう。こうした中で、ストレスに強くない人や持病を抱えている人も含めて、個別対応をするのは現場の管理職の仕事になります。

普段から社員個人と接していて、職場内での態度やプライベートの生活状況を把握できるのは現場の管理職でしょう。それぞれの現場で、管理職が個々人に適切に対応できるよう、ストレスコントロール等の研修を受けて必要な知識を身につけるといった地道な活動が欠かせません。

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