J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年08月号

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第41回 今こそ「財務力」に向き合おう

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

菊池健司(きくち けんじ)氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業部 第1情報サービス部 部長
日本最大級のビジネス&マーケティング情報提供機関であるマーケティング・データ・バンク(MDB)所属(URL: http://mdb.jmar.co.jp/)。人事・研修関連セクションでは社員選抜研修の一環でMDBを利用する傾向が増加中。顧客とのコミュニケーションにおいては豊富な知識が欠かせず、読書を通じてさまざまな分野の情報を貪欲に収集している。モットーは、「1日1冊」「週末精読」。E-mail:Kenji_Kikuchi@jmar.co.jp

近年、財務知識、会計知識といった「財務力」を鍛えようという風潮が高まっていると感じる。本連載では、発刊される書籍のトレンドからビジネスパーソンの必須能力を捉えているが、この「財務力」は紛れもなく、長年にわたり上位に位置するスキルだといえよう。

10年以上前になるだろうか。ある外資系企業の日本法人トップの方から「欧米と比較して、日本のビジネスパーソンに足りない能力は何だと思うか」と問い掛けられた。私なりにいくつかの答えを挙げたが、先方の答えはそれに反し、「おそらくマーケティング力と財務力だと思う」というものだった。当時、とてもハッとさせられた。今でも、折に触れこの言葉を思い出す。

私自身、ほぼ日課となっている書店の店頭チェックで、ビジネスパーソン向けの財務・会計本の新刊を見掛けるたびに「やはり、いつの時代もこのスキルは重要だな」と考えさせられる。

「財務力」は、これまで本連載で取り上げてきた「英語力」や「哲学」と同じくらい重要なテーマだと言える。故に関連書籍が多数刊行され、ビジネス雑誌のスキル特集でも定番となり、関連セミナーも花盛りである。

だが、「財務力」を鍛えることを避けてきたビジネスパーソンは意外に多いのではないか。経営者層や財務・経理担当者を除けば、それほど必要でないと考える人は多いのだろう。

なぜ学ぶ必要があるのかといえば、この力が、間違いなく「経営センス」の基礎となるからだ。期待する人材には「財務力」をマスターさせなければならないし、おそらく優秀な人材はそのことに気づき、自分で学び始めるだろう。

自社の経営状況だけでなく、競合他社や取引先の強み、課題、変化といった状況、産業全般の動向を「数字」というファクトで把握できるというのは重要なことだ。これがビジネス戦略立案に役立つことは、疑う余地がない。

さて、財務関連書籍を分類しておこう。

①最初に読むべき必読書籍

②会計のプロによる指南書

③ビジネスのプロによる指南書

①は1998年に刊行された『稲盛和夫の実学-経営と会計』があまりにも有名だ。20年近く読み継がれている。

②は、右ページでも紹介している國貞克則氏の一連の書籍がお勧めである。

③は、特定企業の財務部門出身の著者による書籍が一様に面白いと感じる。

大学教職員を対象に、ビジネスシーンにおける人材ニーズについてレクチャーする機会が、年に数回ある。その際は、学生には「世の中を広く捉える視点」と「財務指標を読み解く能力」を鍛えるよう指導してほしいと伝えている。本誌読者も、所属先で「財務力」を学ぶ仕掛けを構築されてはどうだろう。

次号は、「名言に学ぶ」というテーマでお届けしたい。乞うご期待。

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