J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年04月号

社労士が斬る イマドキお悩み相談 第13回 頑張り過ぎる社員

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。


藤原英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93 ~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。

[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉 あきこ

第13回 頑張り過ぎる社員

むやみに仕事を頑張る若手社員がいる。全てが丁寧で、常に求められる以上の仕事をしようとする。聞けば、早く成長して大きな仕事を任せられたいのだという。その志は良いと思うのだが、その若手社員の上司からは、残業や休日出勤が多くなり困っているという相談を受けている。成長意欲を折らずに適正な働き方に導くには、どうすれば良いのだろうか。

“仕事熱心”と“成果”は別物

会社に来て仕事に関わる作業をすれば、勤務と見なされます。また、自宅に持ち帰って作業を行う場合も、同様に勤務と見なされます。このような時間は、本人が要らないと言っても、全て残業代の支給対象になります。

なお、部下が良かれと思い、タイムカードや出勤簿をつけないようなことを上司や会社側が黙認している場合、「黙示の残業命令」を出したと見なされてしまいます。これは、コンプライアンス上好ましくなく、結果的に、会社に損害を与えてしまうことにもなりかねません。

こうした残業を繰り返す社員は、仕事熱心のように見えますが、そもそも必要とされる成果を達成するために、他のメンバーよりも時間をかけているわけですから、パフォーマンスが低いという見方もできます。

したがって、人事部門としては、このような社員とその上司の双方に対して適切に働きかけ、改善に取り組んでもらう必要があります。

本人とその上司の双方に指導を

長時間労働が常態化している社員本人に対しては、まず、求められている成果を正確に把握してもらうこと、そして、その成果を限られた時間や納期で達成する遂行力が必要だということを、理解してもらわなければなりません。

たとえ他の人より良い仕事をしたとしても、時間内に期待される分量の仕事を完了できなければ、生産性が低いことになります。そのような社員には、仕事を自分ひとりで抱え込むのではなく、他者と協力しながら進める方法についても指導する必要があるでしょう。

一方、上司に対しては、部下の働き過ぎは上司のマネジメントにも責任があるということを指摘し、部下の現在の能力と与えている業務のバランスを見直してもらいます。

まずは、部下が最もパフォーマンスを発揮できるコア業務に集中できるよう、業務プロセス・分担の見直しを検討することです。同時に、その部下のキャリアパスを考え、今後どのような成長の機会や能力開発が必要になるかということを、本人と共に考えてもらいます。

つまり、組織の評価制度とキャリアパスを合致させながら、どのようにレベルアップしていくか、ということについて、本人と上司が話し合う必要があるのです。また、仕事に役立つ本や業務に役立つ資格を紹介するなど、自己啓発の手段を上司が部下に教えてあげるのもいいでしょう。

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