ID designer Yoshikoが行く 第93回 青学駅伝の教訓に学ぶ元カリスマ営業監督の革新
ある新年会でのこと。
「テラダさ~ん!」。
遠くから大きく手を振るのは、某大学の知人だ。もともとポジティブな人だが、この日はまた、格別に嬉しそうであった。聞けばその方、今年の箱根駅伝で創部96 年目の初優勝を飾った青山学院大学のご出身、さらに高校も原晋監督と同窓の広島県立世羅高校だという。
「青学って、チャライと思っていたでしょ~」と言いながらも笑みがこぼれるのを止められないようで、「いえいえとんでもない!オシャレでスマートで……」とヨイショしかけるのを遮って、「で、そのうえ、根性もあるときた!」と、まるで自らが山の神になったかのようなはしゃぎようであった。
たしかに青学は強かった。史上最速の10 時間49 分27 秒で優勝、という見事な強さだった。強いだけではなく、爽やかでカッコよかった。選手たちは楽しそうに走り、控えのメンバーやスタッフ、OB含めてのチームワークも素晴らしく、都会的なスクールカラーにふさわしいスマートな勝ちっぷりだった。
その青学の強さと原監督の革新的な選手育成マネジメントの手法については、「大学駅伝界の異端児、箱根を制す!」などとメディアでも大々的に取り上げられているが、インストラクショナルデザイナーとして注目したのは、原監督ならではのユニークなコメントから学ぶ、「3つの駅伝の教訓」である。