第39回 ますます重要な「リーダー」の在り方について考えてみる 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
経営や人事を担う人にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する。
世界も日本も強いリーダー人材を待っている
2025年が幕を開けた。今年も読者の皆さんのお力になれるよう、筆を執っていきたい。
アメリカ大統領選は結局トランプ氏が再選となり、「トランプ2.0」が1月には幕を開ける。2024年の年の瀬の動き、とりわけ世界の動きを見ても、2024~2025年は、「リーダー交代」が1つの大きなキーワードとなりそうだ。
日本も昨年10月に石破首相が誕生。国内景気対策、外交問題等々、数々の課題に向き合う難しい舵取りを迫られている。今年公表されるであろう、新たな日本の成長戦略が、厳しいながらも未来を感じさせる政策であることを期待したい。「リーダーの在り方」「リーダーの背中」が、その国の未来を決めていくからだ。
民間企業においても、今年は「リーダー交代」が各所で見られるだろう。世代交代の波もビジネスシーンには押し寄せている。世界も日本も間違いなく、「強いリーダー」を求めている。威風堂々とした立ち振る舞いもさることながら、「何」を目指し、「何」が変わるのか。そのために「何」を行うのかを見極めていきたい。
昨年末、書店では、「リーダーシップ」関連本に目が行くことが多かった。理由は、今回紹介したい本が多く刊行されたことが大きいのだが、“閉塞感をこじ開けてくれるリーダー”が続々と現れる絵姿を私自身が期待しているからかもしれない。
人材業界大手のエン・ジャパンの調査によれば、ビジネスパーソンが考える「理想のリーダー像」は、チームが目指す夢や目標を明確に示すことでメンバーを導いていく「ビジョン型」がもっとも支持を集めており、今の時代感を感じる。
いつの時代もリーダー論は重要特に混迷の時代には
今回、自薦他薦を問わず、リーダー人材やリーダーを目指す人が今こそ読んでおきたい書籍を選んでみた。
①世界の先端リーダー理論や事例が学べる書籍
②意外なリーダー論が学べる書籍