J.H.倶楽部

無断転載ならびに複製を禁じます。なお内容は取材・掲載当時の情報です。

月刊 人材教育 2016年05月号

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第38回 「哲学」を学ぶ意味とは?

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

菊池健司氏
日本能率協会総合研究所 MDB事業部 第1情報サービス部 部長
日本最大級のビジネス&マーケティング情報提供機関であるマーケティング・データ・バンク(MDB)所属(URL: http://mdb.jmar.co.jp/)。人事・研修関連セクションでは社員選抜研修の一環でMDBを利用する傾向が増加中。顧客とのコミュニケーションにおいては豊富な知識が欠かせず、読書を通じてさまざまな分野の情報を貪欲に収集している。モットーは、「1日1冊」「週末精読」。E-mail:Kenji_Kikuchi@jmar.co.jp

社会人になってから「学生の頃にもっと学んでおくべきだった」と感じる学問は多い。英語をはじめとした語学がその筆頭格。財務や教養分野なども上位に挙げられよう。

今回注目するのは、「哲学」である。この分野は、非常に裾野が広く、奥が深い。ソクラテス、プラトン、アリストテレス、カントといった錚々(そうそう)たる哲学者の名前は知っているが、具体的な内容はよく知らない、という人も多いだろう。

欧米人と比較して、日本人は哲学の学びが足りないとよく指摘される。もちろんその分野に精通した素晴らしい教育者もいれば懸命に学んでいる学生や研究者もいるのだが、一般のビジネスパーソンにおいては、いささか心もとないというのが正直なところではないか。

一方、国内外の優秀な経営者で哲学を学んでいない人はおそらく存在しないだろう。その学びが「経営哲学」や「仕事の哲学」に反映される。その事実だけでも、ビジネスパーソンが哲学を学ぶ理由になる。

学ぶことは大切だと感じているが、挫折する人も多い。何となく小難しい感覚が拭えない。いったいどうやって学ぶのが良いのだろうか……。そうした意識を反映してか、哲学に関する入門書が、ここ数年で目立つようになってきた。

哲学への注目度を示す事象は他にもある。2010年には哲学者であるマイケル・サンデル氏(ハーバード大学教授)による『これからの「正義」の話をしよう』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)がベストセラーとなりNHK「ハーバード白熱教室」でも放送され、若者を中心に人気を博すなど大きな話題となった。

2014年には、心理学の巨匠と呼ばれるアルフレッド・アドラーの「アドラー心理学」が注目され、『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健著/ダイヤモンド社)が2015年のビジネス書発行部数第1位に輝き、2016年3月時点で104万部を突破した。

最近のトレンドを鑑みながら、ビジネスパーソンのための哲学関連書籍を分類してみよう。

①初学者向け入門書

②特定の哲学者に関する書籍

③ビジネスパーソンによる指南書

①は何冊か読んでおくと良い。読みやすい良書が増えている印象がある。

②は前述のアドラーしかり、今後個々の哲学者をフォーカスした書籍が増えていくだろう。

③は、会社員の経験もある山口大学准教授の小川仁志氏が第一人者。氏の一連の哲学関連書籍をお勧めしておきたい。

哲学は、人が成長していくために欠かせない「基本」。人事担当者とはその想いが重なると思う。過去の偉人に学び、新たな哲学からも知見を得る。社員一人ひとりの学びが、「自社の哲学」につながる。決して大げさな話ではないだろう。

次号では、絶対に知っておくべき「地政学」を取り上げる。乞うご期待。

1『史上最強の哲学入門』飲茶著/河出書房新社/740円+税/2015年11月

こちらはJ.H.倶楽部会員限定記事です。
ご入会後、続きをお読みいただけます。

残り:1,170文字

/

全文:2,340文字

【入会・年会費無料】

J.H.倶楽部は人事の仕事に役立つ特典が満載です!

  1. 総数2000本以上の人事の実務に役立つ記事(※)が閲覧可能
    ※専門誌『Learning Design』(旧『人材教育』)の記事
  2. 新サービス・お役立ち情報(調査報告書・ホワイトペーパーなど)の先行案内
  3. 会員限定セミナーへのご招待/講演動画・配布資料の閲覧
  4. 興味関心に沿った必読記事を、メールマガジンでお知らせ!