J.H.倶楽部

無断転載ならびに複製を禁じます。なお内容は取材・掲載当時の情報です。

Learning Design 2019年05月刊

特集│CASE1│中日本高速道路 セルフ・キャリアドックを導入 社員の自律的なキャリア形成につなげる 総合的なキャリア開発支援

2005年に日本道路公団の分割民営化により誕生したNEXCO 中日本。
キャリア開発支援を人財育成の4つの視点のひとつと位置づけ、キャリア開発研修やセルフ・キャリアドックといった取り組みを精力的に行う。
具体的な内容と成果について聞いた。

岩田貴之氏
中日本高速道路 総務本部 人事部 人財開発チーム チームリーダー

中日本高速道路株式会社
道路関係四公団の民営化により、2005年に設立。
建設や保全・サービスを行う「高速道路事業」と、サービスエリアやその他周辺地域開発等を行う「関連事業」を担う。
「もっと安全に、もっとスムーズに」をコーポレート・ステートメントとし、事業を展開する。
資本金:650億円(2019年3月31日現在)
従業員数:2,139名(2019年3月31日現在)

[取材・文]=谷口梨花

自律的なキャリア形成が必要な理由

NEXCO 中日本では、「安全を最優先にし、自ら考えリーダーシップを発揮できる社員を育成する」ため、人財育成マスタープランを定めている。なかでも社員の「キャリア開発支援」は、「自律型人財の育成」「組織能力の強化」「専門人財の育成」と並ぶ、人財育成の4つの視点のひとつとして、重視してきた。

「キャリア開発とは、自分の動機や価値観、能力などを問いながら、より良い“仕事を中心とした人生”となるよう、多様な活動を自律的に行い、自己実現を図っていくことであると定義しています。弊社では人財育成マスタープランに基づいて、キャリア開発研修などを体系的に整備し、社員の自律的なキャリア形成を支援しています」

そう話すのは、人事部人財開発チームのリーダーを務める岩田貴之氏。

人生100年時代、仕事以外の時間の過ごし方にも注目が集まるなかで、“仕事を中心とした人生”としているのには理由がある。

「弊社は、他社に比べると人財の流動性が低く、入社から定年まで働き続ける社員が多い会社です。それはつまり、社員にとってNEXCO 中日本で過ごす時間が人生のなかでも非常に長く、大きな意味をもつということを示しています。そのことを念頭に、自身のキャリアについてしっかり考えてもらいたいという思いを込めて、あえて“仕事を中心とした人生”としているのです」(岩田氏、以下同)

同社では、求める社員像の具現化に向けて、社員に対して「キャリアビジョンを描く」「エンプロイヤビリティを高める」「チャレンジ精神を醸成する」「自己投資を習慣化する」ことを求めている。自分自身のキャリアに責任をもつことや、世のなかの変化や感覚を強く意識し、高い目標に向けてストレッチを図るなど、意識面の変革にフォーカスしているのが特徴だ。

「自律的なキャリア形成には、自ら内省し、気づき、行動することが不可欠です。そのような内省と気づきの機会を意図的につくっていこうと、2011年度から研修という形でキャリアについて考える機会を提供しています」

体系的なキャリア啓発・開発研修

キャリア開発研修は新入社員から始まり、入社5年目、35歳、45歳、役職定年時と、節目ごとに実施している。

「新入社員には、キャリア啓発として『キャリアとは何か?』という動機づけのところから行っています。続く入社5年目というのは、初めての異動を経験してしばらくたったころにあたります。研修では、価値観や強みなどの自己理解を深め、会社のなかで目指すキャリアに向けて自律的行動を促進してもらうことを目的としています」

課長などへの登用前の35歳時は、組織のリーダーとして成長するために、目指すべきビジョンを明確にし、スキルや知識の研鑽に取り組んでもらうことを目的としている。また、45歳を対象にした研修では、環境変化を踏まえたキャリアの再確認を行い、役職定年を迎えた社員には、キャリアの再設定やセカンドキャリアに向けた準備としての研修も行う。

「40代半ばごろは知識やノウハウも豊富なので、それらを生かしてどのように組織や後進に貢献していくのかも考えてもらいます。このように対象によって目的や期待する行動を明確にし、研修を体系化しています(図)

「セルフ・キャリアドック」を導入

これらの様々な取り組みを行うなかで、課題も見えてきたという。

こちらはJ.H.倶楽部会員限定記事です。
ご入会後、続きをお読みいただけます。

残り:1,779文字

/

全文:3,558文字

【入会・年会費無料】

J.H.倶楽部は人事の仕事に役立つ特典が満載です!

  1. 総数2000本以上の人事の実務に役立つ記事(※)が閲覧可能
    ※専門誌『Learning Design』(旧『人材教育』)の記事
  2. 新サービス・お役立ち情報(調査報告書・ホワイトペーパーなど)の先行案内
  3. 会員限定セミナーへのご招待/講演動画・配布資料の閲覧
  4. 興味関心に沿った必読記事を、メールマガジンでお知らせ!