J.H.倶楽部

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Learning Design 2018年09月刊

特集1│Chapter2│企業事例 CASE 1 ゼビオグループ “何がしたいの?”の問いかけが鍵 出る杭を引っこ抜く 制度と風土

“出る杭”の育成を重視している企業の事例としてまず紹介するのが、量販店をはじめ、スポーツビジネスを広く手がけるゼビオグループである。
出る杭人材を活かす仕組みと風土の在り方について聞いた。

矢野智弘氏
ゼビオコーポレート グループ人事部長 兼 採用教育担当リーダー

ゼビオグループ
1973年に福島県いわき市で創業。70年代後半から郊外型スポーツ店の展開を開始し、全国に拡大。現在は小売業にとどまらず、マーケティングやイベント企画、R&Dなど、スポーツを主軸とした様々なビジネスを手がける。
資本金:159億3,580万円、連結売上高:2,345億9,500万円(2018年3月期)、連結従業員数:2,460名(2018年3月31日現在)

[取材・文]=田邉泰子

●背景と経緯 “出る杭”は創業からの共通言語

全国に大型スポーツ専門店を展開し、自社ブランド商品の開発やスポーツマーケティングにも活動の場を広げるゼビオグループ。同社にとって「出る杭」は、創業当時から続く社内共通言語のひとつだと、グループ人事部長であり採用教育担当リーダーを務める矢野智弘氏は言う。

「当社は1973年に福島の小さな紳士服店としてスタートしましたが、創業当時は人材の確保に苦労したと聞いています。少数精鋭で気骨のある人材を求めていたこともあり、常々、『出る杭は引っこ抜く』考え方が社風となっていました」

“引っこ抜く”というのは、「杭の出方が足りない」というメッセージである。

「『打つことすらかなわないほど、強烈に飛び出す杭となれ』と、創業者である諸橋延蔵は社内に発破をかけ続けていました」(矢野氏、以下同)

同社は持ち前の推進力で、全国展開を図るなど順調に成長を遂げた。そこで大きくなった組織について考えるひとつの方法として、若手人材を中心に「出る杭プロジェクト」を立ち上げ、組織化した。2000年のことだ。

「現状からさらに飛躍するために、若手人材を公募し、社内組織の考え方を制度化しました。『今のままの店舗運営でいいのか!?』ということや人事制度についてなど、率直で熱い議論が交わされたのを覚えています」

これをきっかけに、改めて同社では“出る杭”の重要性が認識された。同時に、経営の仕組みとして若手の個性や主体性を活かす施策の立ち上げにつながっていく。

●施策・風土 ①出る杭を引き上げる制度

その施策のひとつが、「出る杭制度」である。これは職制に関係なくキャリアアップできる制度で、「出る杭は叩かず、どんどん引っこ抜く」というメッセージが込められている。同社では社員の多くは店舗運営に携わることになるが、店長、マネジャーといった店舗の役職者への登用は全て、自分で手を上げない限り、会社から指名して任用することはない。また、契約社員やパート、アルバイトが正社員にチャレンジすることも可能だ。

「募集は年に1回行っています。内容は、まず業務に必要な知識や担当店舗の課題などを答える記述問題に加え、管理職による面接を行います。近年は、自身の課題や強化したい部分を明確にする目的で、終日研修も行っています。その後半年間の成果を見て、最終的に判断します」

自分のスキルがどれほど通用するのかチャレンジしてみたくなった、という思いで応募する若手社員も少なくない。この「出る杭制度」は、店舗運営のほか、バイヤーや商品開発などへの部署異動でも運用されているという。

②やらせてみる風土

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