Part1 女性役員に聞く!① コツは「常識にとらわれない、格好つけない」 仕事も家庭も手放さない 子どもと一緒に働ける会社づくり
アルバイトで入社し、7年目で執行役員となった吉田仁美氏は、
初の飛び級抜擢、初の女性役員、初の2児のママで管理職など、
若い社員の多いベンチャーの社内でも、“初めて尽くし”で知られる。
彼女はどのように仕事と向き合い、会社に新しい風を吹き込んだのか。
①出発点はアルバイト 仲間に出会い、仕事に目覚める
―前職は、百貨店で受付やエレベーターガールをされていたとか。
吉田
当初は専業主婦の母の影響もあって、働くことにそれほど関心がなかったんです。子どもの頃から楽しいことやラクなことに流されるところがありました。百貨店に就職したのも、残業がさほど多くなさそうなイメージがあるのと、“お給料がいいから”という安易な理由でした。
―それは意外です。では最初からキャリア志向ではなかったと。
吉田
全く逆のタイプ(笑)。今の会社に出会ったのも、百貨店退職後、たまたま雑誌のページをめくっていて募集広告を見つけたのが縁でした。
その頃の当社は社員が10人いるかいないかのスタートアップ企業。代表も社員も私と同世代でした。コールセンターのアルバイトスタッフとして入社しましたが、会社の目標を達成するにはどうすればよいか、彼らと一緒になって考えました。みんな若くて、仕事というより部活のような感覚でしたね。次の仕事への“つなぎ”のつもりで始めたはずが、「みんなでゼロからつくり上げるって、なんて面白いんだろう!」と、気づけば夢中に。それから1年して、正社員登用の誘いを受けたことが、その後のキャリアにつながっています。
②正社員となり頑張り抜く日々 小さな対話を大切にする原点
―正社員になってからはいかがですか。
吉田
コールセンターで働くアルバイトスタッフをまとめながら、営業もするなど、仕事の幅が一気に広がりました。一方で、きちんとした教育を受けていないこともあり、仕事のやり方が分からず試行錯誤したことも。それでも本音をさらけ出して語り合える仲間が大好きで、忙しさは苦になりませんでしたね。
とはいえ、手探りの連続で限界に直面してしまったこともあります。入社2年目頃、会社のいろんなことに嫌気がさして、「お世話になりました。明日から出社しません」と、関係者に一斉メールを送ったんです。