40代のリアル【個人編】 人生いろいろ 40代もいろいろ
「40 代」はベテランだけに、人それぞれ環境や状況が異なる。
マネジメントする人、マネジメントされる人、
男性・女性、配偶者や子どもがいる人・いない人―。
それぞれどんな思いや価値観を抱えて、仕事をしているのだろうか。
4 名の40 代たちに、少しだけホンネや体調の変化などを聞いてみた。
Image by MuchMania / Shutterstock.com
■専門家としてのキャリア構築
2010年からシンガポールに駐在中です。専門はアジア太平洋州市場の為替や金利動向調査。この分野の専門家は少ないのでメディアへのコメント・寄稿の仕事は自分に集中しています。管理業務の傍らセミナー講師を務めることも多く、昨年の講演は350件を超えました。
「喋り」「執筆」「アジア」のスペシャリストとして注目され始めたのは40代に入ってから。学生時代に演劇サークルで脚本を書き、役者として舞台に立っていたことが、書く力や話す力の基礎になったと思います。ただ社会人になってからもラジオドラマの脚本やブログなどを書き続けており、Amazonのレビューも累計2500本ほど投稿しています。
■滅私奉公ではなくWin-Win
「アジアの専門知識を武器にできる!」と直感したのは、1997年のアジア通貨危機の時。為替ディーラーとして働いていたのですが、まさに職場で見聞きしていることがTVや新聞でどんどん報道され始めた。自分の仕事と時代の動きが同期し始めたことを肌で感じました。ディーリングは取ったり取られたりの苛酷な仕事ですが、勾配のきつい30 代を乗り切れたのは、腰を据えて自分の専門を究めてやれ、という思いがあったからだと思います。
それだけに41歳でシンガポールに赴任し現職に就いた時は、「ここが自分を活かせる場所だ」という実感がありました。また、「ここなら、自分を活かしつつ会社に貢献できる」とも思いました。滅私奉公ではなく、会社とWin-Winの関係でいられる年代になった、ということでしょう。