めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第50回 知っておきたいこれからの「マネジメント」トレンド
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
次世代経営幹部の育成において、「マネジメント力の向上」は、今も昔も変わらない大きな課題である。また、昨今特に注目されている「生産性」の議論においても、組織マネジメントが注目されている。2017年6月には内閣府経済社会総合研究所が実施する「第1回 組織マネジメントに関する調査」※の結果が公表されるので、本誌読者にはぜひ注目しておいていただきたい。
書籍トレンドからも当然「マネジメント」への注目度合いをうかがい知ることができる。2009年に発刊された岩崎夏海氏の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社)は300万部に迫ろうかという驚異のベストセラーとなった。2001年発刊の『マネジメント<エッセンシャル版>』は2017年になっても売れ続け、ロングセラーとなっている。この現象からも時代や世代、立場を超えて「マネジメント」が注目されていることがよく分かる。
私は、過去の名作マネジメント本はビジネスコミック化されるものも含め、再び注目されていくと考える。その候補となるのが、日本や海外の有力な経営者が愛してやまない名著の数々だろう。『アメリカCEOのベストビジネス書100』(講談社、2009年)、『新世代CEO の本棚』(文藝春秋、2016年)、『私をリーダーに導いた250 冊』(朝日新聞出版、2016年)といった書籍に大きなヒントが隠されている。
世界情勢の不安もあり、先読みが難しい時代である。そうした時期には必ず「原点回帰」の流れが生まれる。最新の書籍を紹介できるよう努めているが、名著の復活トレンドとそれが意味するところは人事担当者の皆様と共有しておきたい。
ここで人事担当者が今後注目すべき、マネジメント関連書籍を分類してみよう。
①名著の復活本
②規律のとれた組織関係者による本
③海外著者によるマネジメント本
④日本の有力経営者関連本