Column 1人の部長が仕掛けた自主勉強会 メンバーを“倒れても立ち上がれる人材”に育てる
レジリエンスは、職種や役職・階層を問わず、全ての社員に求められる力だが、教育プログラムとして企業で導入されている事例は、まだ多くない。
そんな中、独自に部下のレジリエンスを高める講座を始めた社員がいる。
その狙いとは―。
ミドル層を引き上げたい
広告・マーケティング企業のS氏は、2016年1月、自身が所属する部署のスタッフ系社員(約40人)を対象に、レジリエンスなどのスキルを鍛える自主講座を開講した。1期3カ月で、10人前後の受講者に対して、半日程度の研修を計6回実施する。
もちろん、社員教育を行う人事部門は存在するが、S氏が独自の研修を始めたのはなぜか。
「私の“ 使命” だと捉えたからです。私は、今までのキャリアの中でずっと第一線で活躍してきたわけではありません。そんな私が部長としてすべきことは、ミドル層を引き上げることではないかと思ったのです。
また、スタッフ部門は顧客との直接的な接点がなく、ライン部門と比較し刺激が少ないため、『社会に対し仕掛けたい』『自ら積極的に取り組みたい』といった意欲が高まりづらい側面があります。そこで、スタンスを抜本的に変革する教育機会が必要だと考えました」(S氏、以下同)