めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第45回 人事担当者が知っておきたい「人工知能」
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、
最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
本連載(2016年10月号)において、「人事担当者が持っておきたい『未来予測』の考え方」というテーマを取り上げた。同号では、人の仕事がAIやロボットに取って代わられる未来について触れたが、今回はAIについて、もう少し詳しく見ていく。
ビジネス誌や業界誌を見ていると、毎週何らかの形でAI特集が組まれている。海外、国内の有力企業がAIに対する研究熱を強めており、関連する新興企業も多数登場している。第3次AIブームといわれる今、かつては遠いSFの世界だったものが、現実になり始めている。
人事の世界でも、既に採用活動でAIを活用する企業が登場している。例えば2016年6月に、ビズリーチが人工知能機能を有する戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」※1をリリースした。
かつてのAIブームと違うのは、IoT(インターネットオブシングス)、ロボット技術の進展と相まって「本当に世の中が変わろうとしている」ことである。
「2045年問題」という言葉を聞いたことがあるだろう。コンピューターが進化し続け、2045年頃に人間が未来を予測できなくなる現象を指す。シンギュラリティ(技術的特異点)というキーワードと共に各所で話題になっている。米国のコンピューター研究者であるレイ・カーツワイルによる『シンギュラリティは近い』(次ページ参照)にはぜひ目を通していただきたい。
10年後20年後という「決して遠くはない」将来において、同僚に人工知能A君、Bさんがいても全く不思議ではない時代がやってくる。
ここで人事担当者が今後注目すべきAI関連書籍を分類してみよう。①日本の研究者による書籍②海外の研究者による書籍③国内外の経営者による書籍
①は、日本の第一人者である東京大学の松尾豊氏や国立情報学研究所教授である新井紀子氏の著書や論文に今後も注目していきたい。