おわりに バランスを取るヒントは どんな会社や社員にしたいか
学習効果の高い“デジアナ”の組み合わせ、バランスとは。「はじめに」(24ページ)の2つの問いを軸に、特集を振り返ろう。
①デジタルとアナログそれぞれのメリット・デメリットとは
“デジアナ”バランスを考えるうえでは、デジタルとアナログそれぞれのメリット・デメリットを把握する必要がある。OPINION1の藤川大祐氏(千葉大学教育学部教授)は、デジタルには情報の伝達や再現性など多くの点で優位性があるが、ネットワーク環境に左右されることや、面積に制限がある点などがアナログに劣ると整理した(詳細は図参照)。
また、どちらもあくまでツールであり、学習効果を上げるうえで本当に重要なことは、学習しやすい状況をいかにつくるか、ということ。そして、どちらをどう活用するにしても、一次情報を収集・整理し、議論を構築し、批判的に検証する能力を身につけることが、社会を生きる力になる、と語った。
こうした力を、デジタルツールを用いて身につける教育を小中学校から行っているのが茨城県つくば市だ。市長の市原健一氏(OPINION2)によれば、市ではICTによって育てたい能力を「4C(協働力、言語力、思考・判断力、知識・理解力)」と定めて環境を整備。学校と学校をつなぎ、電子黒板によるプレゼンテーションコンテストなどを通して、子どものうちから自分の言葉で語ったり、自ら課題を設定して解決したりする力を育んでいる。