寺田佳子のまなまな 第9回 プロマラソンランナー 原田拓氏に聞く 「人生のフルマラソンの走り方」(前編)
プロマラソンランナーの原田拓さんは、ホノルルマラソン日本人1位などの輝かしい実績を活かし、そのノウハウを一般のランナーにも教えています。
原田さんのランニング理論を通じ、仕事や人生の「走り抜く戦略と技術」を、寺田さんが体を張って学びます!
「私にも、できますか?」
マラソン……。
それは、私の日常と最も遠いところにあるスポーツであった。
あくまで「見るもの」であって、「するもの」ではなかった。
人生で一番体力があったと思われる高校時代ですら、「長距離走」と聞くと、どうやってサボろうかと、必死に考えたものだった。
その私が、とある土曜日の朝6時、いつもなら間違いなく爆睡している時間に、買ったばかりのランニングシューズを履いて、鏡に映った自分の姿にニンマリしているのである。
いったい、どうしちゃったのか!?
この異変は、さかのぼること1カ月前の、プロマラソンランナーTakuこと、原田拓さんとのランチタイムトークがきっかけだった。
箱根駅伝、ニューイヤー駅伝で活躍し、ホノルルマラソンでも日本人1位になったトップランナー原田さんは、名古屋を拠点に、多くの市民マラソンランナーを育てる人気トレーナーでもある。
その彼が、私のようなランニング初心者を「その気」にさせて、数カ月で42.195kmを完走できるようにする―と言うのだ。
いったいどんな技を使えばそんなことができるのか。
ぜひ彼の育成の秘密が知りたい、と思ったのである。もちろん話を聞くだけ、のつもりだったのだが、