昇進昇格時のアセスメントは 次世代リーダーを発掘・育成する 絶好の機会
昨今、昇進昇格審査に客観的な評価手法である「アセスメントセンター」を導入する企業が増えている。
経営環境が大きく変化する中で、優秀な人材を発掘したり早期選抜・育成するための方法が今まで以上に求められているのだ。
次世代リーダーの発掘・育成におけるアセスメントセンターの有効性について、日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)アセスメント事業本部で商品開発を担当する春山氏と道端氏に聞いた。
なぜ増えているか
アセスメントセンターを導入する企業が増えている理由について、春山氏は次のように話す。
「現在の管理職は、コンプライアンス、メンタルヘルスの問題など、以前にも増して複雑な役割が求められています。そんな中で、既任の管理職のマネジメント能力にばらつきが目立ってきているんですね。そもそも管理職登用の段階で適性がある人を見極めないと、その後の育成も難しいという実感があるようです。そのため、社内の評価だけではなく、アセスメントセンターを入れて管理職適性を客観的に確認しようという企業が増えています」
また、春山氏によれば、昇進昇格試験としていきなりアセスメントセンターを実施するのではなく、事前に能力開発の期間を設ける企業が増えているという。
「人によって職場での経験はマチマチで、日頃の業務だけでは管理職適性は育ちにくいこともあります。一般職から管理職になるにあたって、昇格試験を受ける前に一定期間、管理職に必要な知識・スキルを身につける機会を設けて、管理職として即戦力になれる準備状態をつくることも重視しているのです」(春山氏)