人事の職場拝見! 第64回 アイル 機能体と共同体を両立 バーチャルに頼らない育成施策
システム構築やWeb サイト制作を通じて企業の経営をサポートするアイル。同社の人材育成は、
リアルさを重視し、対面や手書きの機会を設けることで共通意識の醸成を図る。その手法とは。
リアルな場での全社員教育
日本の企業の99%を占める中小企業の経営をサポートするアイル。実務という“リアル”な世界と、Webという“バーチャル”な世界両面のIT 支援を戦略に掲げる同社だが、人材育成ではデジタルに依存せず、あえてリアルさを意識する。
経営管理本部東京人事総務課課長の山中崇士氏は、同社が重視する「全社員教育」において“顔を合わせる場”が不可欠だと話す。
「当社には企業理念や価値観を大切にする文化があります。特に社員育成は、新人からベテラン社員まで全員が“会社の思い”を理解し、教え合うことが大切です。そのため、定期的に全社員が顔を合わせ、思いを共有する機会を設けることを重視しています」(山中氏、以下同)
月報会議で価値観を共有
それを形にしたのが、「月報会議」と呼ばれる、月に1度の全社会議である。本社のある大阪と東京のそれぞれで開催される。出席は全社員が対象で、経営状況や事業構想、各部門の実績や課題などを代表取締役社長の岩本哲夫氏が語る。
「月報会議では報告の他に、市場の動きや代表が注目していることなども話題となります。各部門の動きや取り組みを業務に生かすだけでなく、一人ひとりが経営者感覚を持って自社の状況をつかめるよう、全員が参加しています」