人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第42回 「プラダを着た悪魔」川西玲子氏 時事・映画評論家
「プラダを着た悪魔」
2006年 アメリカ 監督:デヴィッド・フランケル
この映画は2006年に公開されて世界中でヒットし、以後ずっと若い女性に支持されている。仕事も私生活も充実させ、しかも自然体で生きたいという女性の志向を先取りし、それをおしゃれに描いていたからだ。
このような傾向の映画では、2001年公開の『ブリジット・ジョーンズの日記』が先駆けだ。出版社に勤め、恋とダイエットにも情熱を燃やす32歳女性のドタバタな日々を描いたもので、2004年には続編『ブリジット・ジョーンズの日記きれそうなわたしの12か月』も公開された。
だが『ブリジット・ジョーンズの日記』と『プラダを着た悪魔』の2作を比べると、5年の間に起きた変化がうかがえる。
同じ等身大の女性が主人公でも、後者のほうが仕事に重心が置かれ、ヒロインが有能に描かれている。その背景には2000年代に入ってから、女性の人生における仕事の割合が高まっていったことにある。