TOPIC2 eラーニングアワード 2015 フォーラムレポート 事例から学ぶ ゲーミフィケーション、LMS導入のコツ
eラーニングアワード 2015 フォーラムが、今年も東京で開催された。
「日本e‐Learning大賞」の表彰式をメーンに、ICT技術を駆使した学習コンテンツや先進的な学習手法、またそれらの導入事例について、講演を通じて学べる貴重な機会である。
本稿では、注目の2講演について、その模様を紹介する。
夢中にさせる授業「ゲーミフィケーション×授業」2015最前線~即実践できる! 学生の心をつかむ6つの手法~
岸本好弘氏 東京工科大学 メディア学部 特任准教授
聞き手の関心を高める
ゲームには、人を楽しませる娯楽性の他、やる気にさせたり、夢中にさせたりする特性がある。この性質を教育や社会に活用すれば、さまざまな問題の解決につながるのではないだろうか。
私は、28年間企業で数々のゲームの企画や開発に携わってきた経験を生かし、現在「ゲームの力で教育や社会をより良くする」ことをテーマに、ゲーミフィケーション(ゲームの要素を日常生活の他の分野に応用すること)やシリアスゲーム(社会問題の解決を目的としたゲームコンテンツ)の研究を進めている。
ゲームの6つの仕掛け
ゲームが面白いと感じるのは、開発者が意図的に面白くなるルールや仕掛けを盛り込んでいるからだ。そのポイントは大きく6つある。これらの要素は、大学での講義にも応用している(図1)。
①能動的参加
ゲームの魅力は、まず「自分の意志でできる」ことが挙げられる。講義での仕掛けはどれも、学生が自ら参加し、その場をつくり上げる感覚を高めるためのものだ。
②称賛演出
人は、褒められるとうれしくなるものであり、あえてその機会をつくると良い。拍手はすぐにできる称賛演出だ。
③即時フィードバック
ゲームがコントローラーの操作にすぐ反応するのは当たり前のようだが、これもユーザーにゲームをさせるための重要な仕掛けである。同様に、レポートや課題のフィードバックも、素早く行うことが重要になる。