第11回 社員がSNSで悪口? 藤原英理氏 あおば社会保険労務士法人 代表
働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。
第11回 社員がSNSで悪口?
最近、当社の悪口を書いているTwitterアカウントがあるらしい。匿名での投稿だが、内容を見ると、どこの部署の誰が書き込んだのかはだいたい想像がつく。就職希望者や取引先にも見られてしまうため放置してはおけないが、社内で犯人探しをして、それを面白おかしく書かれたら逆効果だ。どう対応すればいいのだろうか。
SNSの広がりと企業のリスク
昨今のSNSの広がりにより、個人が簡単にインターネット上に情報を投稿できるようになりました。SNSに、気軽に会社や上司の悪口を書き込む人も多いですが、これは誰でも閲覧できる情報という点で、居酒屋で話す愚痴のような私的なコメントとは大きく異なります。ニュース性によっては一瞬で拡散するうえに、削除は容易ではありません。
特に、従業員が投稿した会社の悪口は、内部情報として一定の信ぴょう性を持ってしまいます。従業員によるネガティブ情報の投稿は、今、企業にとって大きなリスクになっています。
法的対策は進みつつある
これまで対策が難しかった匿名での誹謗中傷ですが、投稿者の個人情報開示に向けた法整備が進んできています。2014 年には、誹謗中傷への対策として、東京地裁からSNS大手の米Twitter社とFacebook社それぞれに、情報開示を求める仮処分命令が出るという事案がありました。