負けないマネジャーのための孫子 第17回 過信による判断をいさめる教え
「だろう・よかろう」と勝手に判断して行動していませんか。
マネジャーたるもの、事前準備とリスク想定は不可欠です。
当たり前のことこそ難しい
何か失敗やトラブルが発生した時、「こうなるとは思ってもみなかった」という人がいます。さも原因を自分以外に求め、責任逃れをしているように聞こえます。
しかし、周りで起こる良いことも悪いことも、多かれ少なかれ、本人(あなた)に起因しています。そしてその背景には、「多分大丈夫だろう・これでよかろう」といった、根拠のない過信による判断や言動があるのでしょう。
それをいさめるのが右上の章句「兵を知る者は、動いて迷わず、挙げて窮せず」です。事前に情報収集などをして兵や戦争をよく知る人なら、兵を動かしても迷いはなく、合戦しても苦しまないという意味です。
軍隊を動かすことは、死傷者も覚悟しなければならない一大事です。多額の費用も伴います。そのため、事前にありとあらゆるリスクを想定し、調査・分析して対策を講じ、リスクを最小化しておくことが重要であると説いています。