めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第35回 「整理術」とは
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
仕事や家庭生活での「整理術」や「片づけ術」が近年脚光を浴びている。
やましたひでこ氏が提唱する「断捨離」は同名の著書だけで累計発行部数300万部を超えており、今なおブームが続いている。また『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)は世界中でベストセラーになり、著者の近藤麻理恵氏は2015年4月に米TIME誌において「世界で最も影響力のある100人」に選出されている。
今や「整理」や「片づけ」が社会現象を巻き起こす時代なのである。
ビジネスシーンに目を移すと、組織内で「整理整頓」を標榜している企業は多い。仕事上、さまざまな企業を訪問するが、行く先々の会議室や執務スペースでこの標語を目にする。その重要性に、異論を唱える人はいないだろう。
恥ずかしながら告白すると、私は整理整頓が得意ではない。若い頃によく「書類が見当たらない」「契約書がない」と慌てふためき、ずいぶんと痛い目に遭ってきたため、特にここ数年は意識的に整理術関連の本を読み、時には著者から直接学び、さまざまなやり方を試してきた。それでもなお「書類の散乱と共に頭の中まで散らかってしまう」という事象が発生し、まだまだ勉強が足りないと自戒している。
時代の変化につれて「整理術」も変化している。特筆すべきはクラウド環境がもたらす整理環境の進化だろう。EvernoteやDropboxなどのツールは、私たちが一段階上の「整理」や「片づけ」を行うことを可能にしてくれる。
整理術に関する書籍を読む場合は、読み継がれるベストセラーで基本を学び、新たな知識を新刊で補強していくのが良い。
その整理術関連の書籍は以下に大別される。
①ぜひ読むべき王道本
②整理のプロによる整理術本