特集 学びを促進する テクノロジーの世界
この数年の、デジタル環境の変化は目覚ましい。
今やSNSを使う個人も、従業員にタブレットを支給する企業も珍しくなくなった。
企業や医療現場、学校教育の一部では、タブレットやウェアラブルデバイス、3Dシミュレーション等を使ったOJTや(職場)学習が、進んでいるようである。
新しい技術を使わなくとも、LMS(学習管理システム)の機能を拡張したり、eラーニングコンテンツの整備を行うなど、これまでの学習環境をさらに進化させる企業が出てきている。
本特集では、そうした変化を押さえつつ、企業・組織内教育の効率化・深化、効果向上を実現できる可能性のある最新情報、教育提供者側が考慮すべきデメリットや心構え等について紹介する。
はじめに テクノロジーと共に変化する“学び”
2009年6月、日本でiPhone3GSが発売されたが、これは始まりに過ぎなかった。その後のソフト面とハード面の技術革新たるや凄まじい。モバイル端末やタブレットも徐々に普及。企業や医療現場などでも積極的に活用されるようになった。
ソフト面では、便利なアプリがたくさん開発されたことはもちろん、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)も利用者が続々と増え、2011年にはFacebookの日本国内利用者が1000万人を超えた※1。SNSはインフォーマルラーニング(非公式的・自発的学習)のインフラとも言えるようになった。
新しい技術と人材育成
こうした変化は、世界の人びとのコミュニケーションを円滑化した。当然ながら、学校教育や企業内人材育成にも変化を起こす。
サービス業や営業職などでの、タブレットを使った事業運営はもはや珍しくない。そこに、内製や外製のコンテンツを搭載して教育に生かすというのは自然の流れだ。先進事例では、ウェアラブルカメラやタブレットを使って技能伝承を行う企業もある※2。
※1 ネットレイティングス調べ、2011年9月29日発表
※2 パナソニック等。日経ストラテジー2015年5月号より
eラーニングの幅を広げる
そこまで先進的な例でなくとも、目立つ動きがある。すでに利用してきたeラーニングを、もっと幅を広げて活用しようというものだ。