おわりに 男女共に自分らしく働ける新しいステージへ
「遅番のシフトにも入ってほしい」
2013年、資生堂が短時間勤務のBC(ビューティーコンサルタント)に投げかけたメッセージが波紋を呼んでいる。「手厚い制度に甘んじているだけでいいのか」「もっとステップアップしてほしい」。同社の呼びかけは、両立支援制度を充実させるだけの従来の女性活躍施策とは一線を画すものだった。
以後、「育児と仕事が両立できる企業」をめざすだけでなく、「自分らしく活躍できる企業」をめざす取り組みがあちこちで始まっている。
そのためにどのような課題があり、どんな解決策があるのか。今一度、特集の内容を振り返ってみたい。
次の壁は「タテの課題」
OPINION1の麓 幸子氏は、女性活躍には「ヨコの課題」と「タテの課題」がある、と指摘する。ヨコの課題は就業継続の問題を指す。厚生労働省の調べによれば、第一子出産後、離職する女性は約6割。企業にはこの事実に向き合い、離職を食い止める努力が引き続き問われる。
しかし、それだけでは女性のセカンドキャリアを輝かせることはできない。今、新たに求められているのはタテの課題、すなわちステップアップの支援である。