人事の職場拝見! 第52回 昭和産業 全員教育と現場経験がカギ 人のつながりで育てる人材開発
穀物の力で日本の食卓を支える昭和産業。北海道から九州まで全国各地に15 の拠点を持つ同社は、全社員のレベルアップと組織のつながりを主軸に、社員の自律と柔軟性、積極性を引き出すことに力を注ぐ。独自の人材開発制度に共通しているのは、「交流を通じた学び」だ。
充実した研修制度
小麦、大豆、菜種、トウモロコシなど、小麦粉や油脂、飼料の原料となる穀物の素材調達から加工・製造、販売まで幅広く手掛ける昭和産業。穀物の取扱量は、国内食品メーカー中、トップを誇る(同社調べ)。人事部長の佐藤巌氏は、「企業にとって人は財産。業種を問わず、人が育たなければ未来はありません。そのため当社では、社内研修のほか、通信教育やビジネススクールなどの社外研修制度も充実させ、社員の学ぶ意欲をバックアップする仕組みを整えています」と語る。
その言葉通り、職種別や階層別などに体系化された、さまざまな研修プログラムが設定されている。
例えば、入社半年後に行う「新入社員フォローアップ研修」はチームビルディングを重視した内容だ。また近年は、節目の年齢(30、40、50歳)を迎える社員対象の「キャリア開発研修」に特に力を注ぐ。
「これまでのキャリアを振り返り、今後の方向性やチャレンジしたい仕事について考え、その実現に必要な力や経験を確認できます」
同じ年齢の社員同士の学びを通じて、仕事の意義や目的を再認識できる貴重な機会といえる。