ID designer Yoshikoが行く 第94回 叱られたい若手を、怖がらずに愛を持って叱る技術
最近、叱られたい若者が増えているらしい。ある人材アウトソーシング会社の調査によれば、入社3年目までの社会人のなんと78.5%、つまり新人の5人のうち4人が、「正当な理由があれば上司に叱られたい」そうだ。
「空気を読む」のが得意な「さとり世代」のことだから、職場でも叱られないようにそつなくこなしたいのかと思えば、実は「叱られてスッキリしたい症候群」がはびこっているのだという。
そんな若手部下に対する上司の反応は、SNSの影響なのか、「いいね!」か、「(当たり障りのない)コメント」か、「(とりあえずみんなで)シェア」の3択が主流。「ダメじゃないかっ!」「何を考えているっ!」など、熱い「喝っ!」を入れるような上司は、今や生きた化石と言われる時代かもしれない。
「あぁ叱られたいのに、どうしてちゃんと叱ってくれないの?」
こんな新人たちの期待に応えて心おきなく叱ってみては、と思うのだが、皮肉なことに上司のほうには、「できることなら叱りたくない症候群」が蔓延している。
聴けばもっともな言い分がある。
パワハラと思われるかもしれない、厳しい言葉に傷ついてひきこもり状態になられては困る、職場の雰囲気が悪くなるかもしれない……と心配の種はつきない。なんといっても、「部下に嫌われたくない」「いい上司と評価されたい」という想いが強い。だからつい、「(まぁ)いいね!」になってしまうのである。
厳しさの裏に愛情あり
そこで、「叱られたい」想いを抱いて悶々とする若者が夢中なのが、スマホ対応の「叱ってくれる」アプリだそうな。