Part1 データから振り返る 事業環境と教育が激変した10年
経営・人事・人づくり3つの軸で振り返る
下の表を見て欲しい。ご存知の通り、日本経済はバブル崩壊のあおりを、21世紀初頭に受け続ける。景気はその後、2003年頃から2006年頃にかけて緩やかに回復していくが、2008年のリーマンブラザーズの破綻に端を発する金融危機が起こると再び、闇の時代を迎えた。それは、日経平均株価や採用関係の数字に現れている。
さらに、この背景には、少子高齢化、アジア諸国の台頭など、さまざまな影響要因がある。
そこで、次のページから、日本企業が21世紀のこの10年に置かれた背景を、データを基に見ていきながら、「経営」「人事」「人づくり」という3つの軸で振り返る。それぞれ、主だった動きや出来事をチャート化しているが、そこにはぜひご自身で知見を加えてほしい。
経営の10年
人事・人材開発活動は、経営の方針に応えることが前提だ。ここでは人事・人材開発に特に関連する経営の潮流について概観する。
プロセス評価を志向しつつプロセス管理に陥った10年
バブル崩壊後、当然ながら企業は経営の質や生産性の向上に注力しな
くてはならなくなった。そのため、1990年代後半頃から、多くの経営手法や仕組みが主に米国から輸入され、導入が検討された。
その1つにバランススコアカード(BSC)がある。これは戦略やビジョンを業績と結びつけて、その業務プロセスを見ていくという経営手法であり、2000年代初期に大きな話題となった。