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第3回「経営者の志と倫理」実態調査結果発表経営者はグローバル化に対応した企業倫理の取り組み推進を
●日本生産性本部
日本生産性本部が設立した「経営の志を高め倫理を推進する国民会議」では、経営者の経営課題を抽出し、マネジメントの現状と動向を定点観測する「経営者の志と倫理」実態調査を実施。これは、全上場、公開企業などの経営者を対象に実施したもので、173通の有効回答を得た。
海外グループ企業の企業倫理の取り組みについて質問したところ、「グループ企業がそれぞれ独自の活動を実施している」(21.2%)、「行っていない」(22.1%)となり、計43.3%が企業倫理の取り組みを海外のグループ企業に波及させていないと回答。グローバル化が進展する環境下にありながら、2009年同調査の43.1%と2007年同調査の42.1%と比較して、取り組みの割合に大きな変化が見られなかった。
また、企業倫理の徹底方法について質問したところ、「社長談話」が前回調査より2.6ポイント減少の60.1%に、「経営者と社員との直接対話」が4.7ポイント減少の37.0%となり、経営者の関与の減少が目立った。一方で、「行動基準(コンプライアンスガイドラインなど)の作成」は前回調査より4.1ポイント増加の87.9%、「研修」は5.9ポイント増加の58.4%と、増加傾向にあることがわかった。
また、倫理委員会の構成メンバーについて質問したところ、前回調査と比較して「経営トップ」と回答した割合は減少。「担当役員」と回答した割合は増加しており、経営トップの直接的関与の減少傾向がここでも見られた。多くの企業が企業倫理を徹底する手段を、経営トップによるトップダウン方式から具体的な制度にするために注力していることがわかる結果になった。
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