連載 ID designer Yoshikoが行く第44回 グローバルチームは感性と共感で輝き合える
最終の新幹線を降り、駅ビル高層階にあるホテルのフロントに向かう。ガラス張りの高速エレベータの足元には名古屋の夜景が広がり、車のテールランプが銀河のように輝いている。
それを眺める私の瞳もキラキラしていたに違いない。なぜなら明日は、某グローバル企業のエグゼクティブ・パーティ。米国本部のCEOはじめ、EU、アジア、オーストラリア……と、世界中から100人以上のエグゼクティブが集合する。大手顧客も招待して、エンタテインメントを楽しみながら最新の情報交換をするイベントに、日本支社のコンサルタントである私にも「ぜひに!」とお声がかかったのである。
チェックインをしながら、頭の中にはモーツァルトの室内楽の生演奏を聴きながら、グローバル・エリートたちと優雅にフレンチを楽しむ自分の姿が浮かび、「やっぱりスーツじゃなくてドレスかなぁ……」と、ほとんど踊り出しそうなくらい気分が盛り上がっていたのだが、そこに1本の電話が。「ヨシコ早く来てっ、大変なの!」切羽詰まった声に驚き、部屋に駆けつけると、汚れたタオルを握りしめて涙目になっている中国本社の秘書リンさんの姿があった。