How should we think? 階層別に求められる考える力
私たちは一見、24時間365日考えて暮らしているように見えるが、その実、真に考えているとはいえないことが多いのではないだろうか。
だが、訓練次第で、より深く、より広く、より的確に考えることが可能になる。それは新しい知覚の地平、いわば“新しい世界”を手に入れることに他ならない。それではここで、考える力を強化する方法を考えていこう。
「考える」ことの4つの機能
まず「考える」という行為を機能によって整理してみよう。すると「分析的に考える」「情緒的に考える」「文脈・歴史的に考える」「クリエイティブに考える」という、4つの機能に分類できるのではないか。
「分析的に考える」ことは、仕事の基本だ。問題解決などの場面ではもちろん、お客様に接する時やミーティングの際などにも、ビジネスパーソンは常に分析的に考えなければならない。
「情緒的に考える」ことは、特に人とのコミュニケーションにおいて忘れてはならない。この要素を落とすと、相手の共感や納得を得ることはできないからだ。
「文脈・歴史的に考える」とは、物事が現在の形に至った経緯を踏まえることである。特に階層が上がり、大きな決断を担う立場になると、文脈や歴史を押さえる重要性が増す。
「クリエイティブに考える」ことは、クリエイターはもちろん、実はあらゆるビジネスパーソンに求められる。プロジェクトや改善活動などでは、常にクリエイティビティが求められるからだ。
この4つの機能は、仕事や場面によって使い分けたり、同時に発揮したりしている。したがって部下のいない社員から経営層まで、あらゆるビジネスパーソンは、これらすべての機能を強化していく必要があるといえる。