人事の職場拝見! 第49回 東急リゾートサービス 次世代管理職育成のキーポイント 高い接客技術とマネジメント力の両立
東急不動産グループでリゾート事業の運営会社として、リゾートホテル、ゴルフ、スキー、別荘管理の4事業を手がける東急リゾートサービス。その事業拡大を支えるカギは、未来の同社を担う管理職の教育と、各事業の社員が生み出すシナジー効果。
管理職教育が喫緊の課題
全国に38の事業所を持ち、76施設を運営する東急リゾートサービス。同社が今、喫緊の課題と捉えているのは管理職教育だ。これまで接客を主とする現場業務は同社の社員が、経営の中核は東急不動産からの出向者が担ってきた。だが、事業ノウハウの蓄積と共に経営層を担える人材が東急リゾートサービスにも生まれ、同時に次世代の管理職育成が必然的に求められるようになった。
人事グループリーダーの平野順氏は、接客とマネジメントの両輪のスキルや意識を持つ人材を育てていくことが今後の目標だと話す。
「“現場の運営に強い”=“接客能力が高い”人材を採用しており、実際、社員の多くがお客様に喜んでもらうことに仕事のやりがいを感じています。一方で、数字の管理や経営的なマネジメントに深く携わる機会や教育が少なかったのも事実です。そのため、管理職として自分がどのように動けばよいかイメージしにくいようです」
そこで、リーダーになる一歩手前から管理者意識を醸成するための仕組みづくりに取り組んでいる。例えば、支配人の1つ下のクラスを対象とした選抜研修もその1つだ。2014年度から内容を強化し、事業戦略や人材マネジメント、マーケティングなど管理職としての基本能力を2年にわたり学ぶプログラムを開始した。これからの世代には、戦略的な目線や経営の視点を早い段階から身につけてもらうのが狙いだ。