連載 人事の職場拝見! Vol.12 ラクーン ベンチャー企業ならではの成長を見据えて“これまで+α”の組織風土を育てる
全国のメーカーと小売店の取引を促進するBtoB サイトを始めとした各種サービスを提供するラクーン。画期的なビジネスを生み出し発展する若い企業において、人事は組織の風土をつくり上げるという重責を担う。同社の管理部総務人事チームに、人材育成にかける思いを聞いた。
基礎力+「不真面目力」で組織を成長させる
メーカーの商品を小売店に届ける中間流通事業を、他に先駆けてウェブ上で行えるようにしたのがラクーンだ。同社では「人材に求める力3+1」として、「人間力」「地頭力」「セルフマネジメント力」、そして「不真面目力」の4つを定めている。「仕事を楽しめる大人になり、仕事以外も含め人生を謳歌してほしいという思いが『不真面目力』には込められています」(総務人事チーム 林 義之氏)
この人材像を明文化したのはおよそ3年前。実は当初は「不真面目力」は項目に含まれていなかった。「20代は一生懸命、仕事に力を注いでほしい。それには最初の3つの力が欠かせません。ですが次第に30代の社員が増え、結婚や子育てといったライフステージの変化を迎えていました。その時もちろん仕事は大事ですが、家での食事や趣味の時間も大事。そこで得たものが必ず仕事にも反映されるはずだという考えから、『不真面目力』という言葉が生まれました」(取締役財務担当副社長 兼 管理部長
今野 智氏)
研修の形だけでは“育成”ではない
事業の拡大に伴って、組織も人材像も変遷してきた同社。その中での総務人事チームの役割は、ベンチャー企業としての勢いをそぐことなく、より人材の力を活かす体制を整えていくことである。「研修の形だけつくってそれにのっとって進めれば『人材育成できている』とはいいたくない。社員が楽しんで絆や思い出をつくり、研修をきっかけに成長できるような場にしたいと考えています」(林氏)