連載 ID designer Yoshikoが行く 第57回 あんじょう頼めるリーダーは世界を維新する
去年の暮れから、ちょいちょい大阪に出かけるようになった。クライアント企業の人材育成システム・チームの本拠地が、東京本社から、国内最大プラントのある大阪に引っ越したからなのだが、これがまいど美味しいもんと、おもろい話で充実した「めっちゃ刺激的な」出張なのである。
通い始めたのが、ちょうど知事選・市長選のダブル選挙戦がスタートした時期ということもあって、街には「何かが変わるかも」という熱気が溢れていた。その熱さのせいか、最初は、エスカレーターの左側にぼぉっと突っ立ってヒンシュクを買っていた浪花初心者も、あっという間にノリノリの浪速のおばちゃんモードに染まってしまったのである。
ごっつい率直にボケてしなやかに
大阪は街も熱いが、ヒトも熱い。「ホンマに現場に役立つもんは、現場が先頭に立ってつくらなアカン、思うねん」と宣言するコテコテの大阪人の新チーム・リーダーのもと、全国から担当者が集合。こちらも「何かが変わるかも」という熱い思いを胸に、新しい人材育成システムの検討を始めたのである。
しかし最大の問題は、かつての主管部署である本社部門との関係だ。リーダーいわく、「そりゃ、あっちは、おもろない、思うでぇ」。
今までの本社と現場の二重構造では、関係部門の調整に時間・コストがかかり過ぎる。そやから、教育・研修の鮮度が落ち、後手後手に回る。教育の中身やない、もっとスリムでスピーディに動く仕組みに変えんとアカンのですわ、とぶち上げたらしい。
うわっ、大阪人はごっつい率直やわ。
どこかの世界でも同じような構造改革の議論があったようだが、こちらは、すぐに業務に生かせる情報を適宜利用できるパフォーマンス・サポート・システム(PSS)を、タブレットPCやスマホの使用も視野に入れて開発したい、と提案したのである。
ええやん、ええやん!