企業事例② トリドール 「ツイッター部長」が語るソーシャルメディアの育成的効果
セルフサービスのうどん店「丸亀製麺」を展開するトリドールでは、ツイッターなどのソーシャルメディアを導入し、顧客のコミュニティを育てている。これはもちろん、丸亀製麺のファンを増やすことで売上の拡大・安定を狙う戦略だが、ソーシャルメディアの活用は、人材育成の観点からも取り組む価値があるという。「ツイッター部長」で著名な末広栄二氏に聞いた。
2012_04_thum_sp1-case2導入の目的はブランドイメージ強化
讃岐釜揚げうどん 「丸亀製麺」、焼鳥ファミリーダイニング「とりどーる」、醤油ラーメン専門店「丸醤屋」などを全国に店舗展開するトリドール(神戸市中央区)。同社で、ソーシャルメディア戦略を指揮する末広栄二氏は、その活用の意外な効果として、「意欲的な風土の醸成」を挙げる。
末広氏は、前職のテーブルマーク(旧社名:加ト吉)で、ツイッターを活用して冷凍うどんのファンコミュニティを育てた、「ツイッター部長」として知られる人物である。「おはようございま すうどん」「おそれいりこだし」といった“おやじギャグ”満載のコメントで人気を集め、ツイッターのフォロワーは、2万6000人にも及び、同社の知名度向上に大きく貢献した。
同社を退職後、末広氏は、2011年1 月からトリドールに入社し、「丸亀製麺」のソーシャルメディアの運営を立ち上げる。
トリドールがソーシャルメディアを導入したのは、店のブランドイメージを高めるためだ。「 飲食店のブランドイメージは、店員の接客を通じて伝わります。ですが丸亀製麺はセルフ形式の業態なので、お客さんとの接点があまり持てない。そこで、電子上でお客さんとやり取りする中で、店のブランドイメージを育てようと考えたのです」(末広氏、以下同)
活用するソーシャルメディアは、Twitter、Facebook、mixi、USTREAMの4種類。即時性を重視したコミュニケーションにはTwitter を使い、メニュー紹介など、写真を用いたコミュニケーションにはそれ以外のメディアを活用しながら、顧客との双方向のコミュニケーションを深めている。
導入から1 年経った時点で、同社の各アカウントの閲覧者数は、Twitterが約1万2000人、Facebookページが約8000 人、mixi が約1 万人。ファンのコミュニティが着実に育っていることがうかがえる。