連載 グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第5回 歴史を学ぶ②「 世界史」流れで理解する
世界史をどう学ぶか、方法論はたくさんある。世界史の記述も、教科書的なものから、フレームワークに沿ったもの、環境や地理を中心に描くものと多様だ。だが、初心者が最初にすべきことは、「流れ」をつかむこと――これに尽きる。
「流れ」としての歴史を知る
前回は、歴史を学ぶ際には、事実と物語を分けて考える、という基本的な「構え」を取り上げました。今回は、ビジネスパーソンとしての世界史の学び方を考えます。
さて、世界史を学ぶ際には個別のトピックだけでなく、「文明誕生以来の世界全体の流れを学ぶ」ということがとても重要です。ヨーロッパや中国といった個別の地域の歴史、あるいは、ルネサンスや第一次世界大戦といった特定時期の歴史を学ぶだけでなく、全体の流れを捉えることを早い段階で行うことをお勧めします。
流れを捉える利点はたくさんあります。流れを捉えることは、今から先の将来を見通すことに直結します。たとえば、自分自身の所属する産業の将来像について考える時、世界的な視野で、その産業の歴史の流れを知ることは欠かせないでしょう。さらにいえば、他の産業との関係を考えることや、その産業を支える社会や国の歴史の流れにも目をやる必要があります。