連載 人事の職場拝見! Vol.17 カシオ計算機 世の中になかったものを創造して貢献する 挑戦意欲の高い人材の育成をめざして
電機メーカー、カシオ計算機。他社にはない新しい製品づくりに定評のある同社では、企業理念である『創造と貢献』を有言実行してきた企業だ。そうした同社の育成の特徴は、技術者の開発マインドの醸成、次世代リーダーを早期に育成することにある。理念を実行し、グローバルに展開している同社の人材育成を紹介する。
世の中にない新しいものを創造する
1946年に創業し、電卓、電子辞書、時計、デジタルカメラなど、多彩な商品ラインナップでグローバルに展開しているカシオ計算機。
経営理念に「創造
貢献」を掲げる同社では、世の中にはない新しいものを常に創造することで、社会に貢献することを重視してきた。同社の総務人事統轄部人事部人事グループマネジャー竹内清行氏は、同社の企業風土についてこう話す。「何か新しいものを『創造』するためには、思い切って挑戦してみようという意欲が欠かせません。当社は、新入社員から役員に至るまで、新しいことにチャレンジしてこそ評価される風土です。それは、当社の製品作りにおいても同様なのです」(竹内氏)
同社の製品は、他社製品には見られないような特性を備えていることに定評がある。今でこそ当たり前だが、デジタルカメラの背面に液晶モニターを搭載し、撮影したものをその場で確認できるスタイルを作り出したのも、同社の製品が世界初だ。
風間直人氏はさらにこう続ける。「他社のまねをするという文化は当社にはありません。会議ではいつも“それはカシオがやるべきことなのか”という問いかけがしばしば出てきます。新しいことをやり続けなければ業界で存続できない。そうした意識が根づいています」(風間氏)
そうした常に他にはない製品作りに挑戦し続ける人材は、いかにして育成されるか。次で見ていく。