人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第6回 「最強のふたり」 2011年 フランス 脚本/監督:エリック・トレダノ/ オリヴィエ・ナカシュ
日本で、ヨーロッパ映画の人気が低下して久しい。理由は幾つもあるが、最大のものは世代交代と、シネマコンプレックスの普及である。こだわりを持たず、どかんと数字が取れる映画しか上映しないシネコンでは、ハリウッド映画と日本映画が中心になる。
加えて、ヨーロッパといえば今、経済危機というイメージしかない。これにはマスコミの影響も大きい。ヨーロッパは確かに経済危機にあるが、それにもさまざまな背景があり、一概に「ヨーロッパは終わった」という話ではないのだが。
実際、ヨーロッパ映画は今も魅力的な作品を生み続けていて、経済の勢いと文化とが、必ずしも一致しないことを教えてくれる。もし経済が全てであれば、中国が一番いい映画をつくっているはずだ。だが、現実にはそうなっていない。そして中国人はせっせと、ヨーロッパ旅行に出かけている。
そんなヨーロッパ映画「冬の時代」に