CASE 1 ローソン 「いつでもどこでも」だけではない モバイルでの「反転学習」は教育全体へ変化をもたらす
ローソンでは、2011年度から新入社員の教育にモバイルラーニングを活用している。学ぶ手段が増えただけでなく、集合研修の事前学習にも活用できるため、より深い学びが可能になったという。
● 背景・目的新入社員教育のさらなる充実
ローソンでは、社員にノート型PCを配付し、2005 年からはeラーニングを実施している。しかし、PCが配付されない新入社員には、モバイルで学習できる環境を整えている。
というのも新入社員は、まず直営店舗に配属され、店舗運営業務を経験するが、店舗には何台ものPCを設置、配置できる環境がないのだ。
新入社員教育には年5回、集合研修を実施しているが、それだけでは学べることも限られてしまう。そこで、同社の企業内大学ローソン大学は、効果的な教育方法を模索していた。
そうした中、「手頃なモバイル端末が普及し、モバイルラーニングを利用できる環境が整ってきたことから、2011年、導入を決めた」(吉川英雄氏 ローソン大学 シニアマネジャー、以下同)という。
● 導入方法必要な知識をタブレットで学習
モバイルラーニング(以下mラーニング)用の端末には、アンドロイドのタブレットを採用。これを新入社員に1台ずつ貸与することにした。ちなみに2014年度は約130人の新入社員が利用している。
端末の貸与期間は原則1年。その1年が終わると、次の新入社員へと渡され、引き継がれていく。
mラーニング用の学習コンテンツには、PC用のeラーニングコンテンツを転用している。
契約書や精算書などフランチャイズビジネスに必要な知識について学ぶ講座の他、労務管理、コンプライアンス、小売業特有の計数の管理など、店舗運営に必要な知識の講座が用意されている(2014 年9月現在、13のコンテンツで学べる)。
さらに、店舗のオペレーションマニュアルも同じタブレットで見られる。オペレーションマニュアルは各店舗に1セットずつ置いてあるが、必要な人が必要な時にすぐ見られるよう、マニュアルもコンテンツに加えたのである。