特集 過渡期を迎えるシニア活用 競争力につなげるベテランの力
近年、労働力の確保の1つとして雇用延長が議論されてきた。2013年4月からの改正高年齢者雇用安定法では、労使協定による対象者基準が廃止され、年金受給年齢の引き上げに合わせて段階的に、希望者全員を65歳まで継続雇用する制度を設けることを義務づけている。
2006年から、定年の引き上げと継続雇用制度の導入は義務づけられていたが、労使協定で定めた基準を満たさない人は対象外にすることができた。しかし、その“対象外”がなくなったのだ。企業側は“ぜひ残ってほしい人”以外も、本人が望む限り、雇用継続せざるを得ないことになる。特にホワイトカラーが問題視されるが、やる気や能力が玉石混淆状態となり、人材マネジメントも難しさを増す。一部の企業の人事担当者からは不安の声が聞こえてきている。
本人にやる気があったとしても、雇用継続されるベテランたちは多くの場合、定年前と同じ仕事を継続するのに、給料は7~8割になるというケースが多い。やる気の低下が起こりやすいことは確かだ。