300年続く成長基盤を “プロの仕事”でつくりあげる
新たな情報通信サービスを次々と提供するソフトバンク。創業30 年を迎えた2010 年に、「新
30 年ビジョン」を発表したばかりだ。いちベンチャー企業として出発し、現在では2万人を超
えるグループ社員を有する同社の教育施策を一手に担う、ソフトバンクグループ通信3社総合研
修統括部を訪ねた。
「新30年ビジョン」を担う人材は手挙げ式で育てる
ソフトバンクが掲げる理念は「情報革命で人々を幸せに」。300年先のビジョンを見据えて、30年後にどうありたいか、そのために何をすべきかを1年かけてまとめ上げた「新30年ビジョン」でもある。
これを実現する人材の育成を担うのが、ソフトバンクグループ通信3社(ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム)の総合研修統括部。企業内大学「ソフトバンクユニバーシティ」をはじめとした研修プログラムを運営している。統括部長の緒方惠一郎氏は、同社の育成のあり方を次のように話す。「私たちができることは、広く学習の機会を提供すること。それをどう活用するかは社員次第です。新入社員研修や新任管理職研修のような節目での研修は必修ですが、それ以外は強制ではなく、基本的には全て手挙げ式で受講者を募ります」(緒方氏、以下同)
内製の研修は“プロの仕事”
ただ社員の自主性を尊重するうえでは、社員が学びたいと思った時に、魅力的なプログラムを用意することが総合研修統括部の重要な役目だと緒方氏は話す。その意味で特徴的なのが、同社の社内研修の約8割が内製で行われている点だ。部署内の講師21名に加え、社内認定講師(ICI)制度を導入し、現在では60名が認定を受けている。
ICIの認定を受けるには、テストと面談に合格し、トレーニングを受けなくてはならない。「ICIは現業を持ちながら、ボランティアで講師を務めます。ですが内製の研修であっても、“プロ”であることが重要だと考えています。特に重視するのはデリバリースキル。いくら内容が良くても、話し方が良くなければ伝わらず、研修の効果が見込めません。研修前には必ずトライアルを行い、良かった点、改善点をストレートに評価しています」