タテ・ヨコの報・連・相が 店舗、社員、心を成長させる
ホンダ車の販売、修理などを手がける
ホンダカーズ中央神奈川。
同社は、報・連・相を通して、従業員の帰属意識を高め、
さらにホンダグループのカーディーラーの中で
常にトップクラス業績を上げることに成功している。
同社がこだわるデジタルに頼り過ぎない報・連・相には、
どのような効果やメリットがあるのか。
事例を通して見ていく。
情報は一部を隠したら全てを隠したのと同じ
ホンダ車の販売、修理、中古車の販売などを手がけるホンダカーズ中央神奈川。店舗数は、2011年3月現在、神奈川県内に20店舗を数える。
同社では「会社は家庭・社員は家族」を基本理念に掲げ、事業を通じて人間の成長をめざすことを軸にした人材育成が行われている。
こうした確固たる思想のもとで行われる取り組みは、さまざまな業界から注目を集めている。2004年には、日本経営品質賞(中小規模部門)を受賞。その他、ホンダクリオ系・全国販売店において13年連続顧客満足度No.1を達成するなど、常に高い業績を上げることに成功している。
こうした輝かしい実績をつくり続ける力の源泉は、「情報は全ての社員にオープンにするべき」という独自の報・連・相スタイルにある。同社の創業者でもある相澤賢二会長は、自身が考えている報・連・相のあり方について次のように話す。「情報は一部を隠したら、全部隠したのと同じです。本部だけが情報を握っている、この情報は店長だけが知っている、というような区別があると、知らされていない人の不信感・不安感は増長され、1つのチームとしてまとまりません。同じ情報を持っていれば、そうした“あの人は特別だから”という不信感が払拭されていき、お互いの信頼関係につながっていく。
当社がめざしているのは“家族”のような組織です。隠しごとばかりあったら本当の家族にはなれません。あらゆる情報を全員が共有することは企業理念に照らせば、当然やらなければならないことなのです」(相澤氏、以下同)
そうした考え方のもとによって行われるさまざまな報・連・相の仕組みは、同じ情報を役職や店舗を超えて共有するということが基本。あらゆる社員が同じ情報を毎日、それもリアルタイムで共有することにこだわって行われている。
若手から店長まで同じ情報を共有する
同社が、全員で共有している主なものは、①お客様アンケートはがき、②業務日報、③売上報告の3つ。以下に、それぞれの取り組みの特徴を紹介する。