今月のNEWS
「経済危機下の人材開発に関する実態調査」から
人材開発部門と他部門の連携は限定的
●産業能率大学
産業能率大学は、「経済危機下の人材開発に関する実態調査」の結果を発表した。同調査は、従業員数300 人以上の企業と従業員に実施し、企業からの回収数は200 件(配布数4231 件、回収率4.7%)、個人への調査は1607 人を対象に行った。
人材開発部門以外の部門が実施する教育において、他部門と人材開発部の連携度合いについて尋ねたところ、「当該部門が単独で企画・実施」していると回答した企業が半数以上を占めた。中でも「物流部門」は、76.0% と7割を超え、「購買部門」「製造部門「研究・開発部門」「環境部門」でも6割を超えた。さらに、人材開発部門と他部門の関係性について尋ねたところ、「自社の人材開発の方向性について、部門横断的に話し合う機関がある」「人材開発部門として、ノウハウを他部門に提供している」とした企業は、いずれも3割程度にとどまった。一方、「他部門や現場で人材開発活動が行われるように働きかけている」「社内の自主的な勉強会の実施を推奨している」といった項目については、肯定的な回答の企業が半数を超えた。
従業員に対して人材開発部門の活動に対する評価を尋ねたところ「会社の人材開発部門の活動に満足している」という肯定的な意見はわずか27.8%で、「人材開発部門の今後の取り組みに期待している」という回答も37.9%にとどまった。
同調査は、「企業内教育の分散化」が起きている一方で人材開発部門と他部門との連携は限定的であるとし、個人のレベルで見れば、人材開発活動に対する満足度は高くなく、人材開発部門への期待も低いレベルにとどまっているとまとめている。
● 他部門に対する人材開発部門の働きかけ
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産業能率大学