今日から実行! PDCAが回り、 人生が充実する手帳術
自分を変えてくれたのは手帳だった!
――現代のビジネスパーソンに不可欠な道具は携帯電話、メール、
そして「手帳」と語るのは、手帳を使った目標達成の達人である野口晴巳氏。
「手帳を使っているうちに、経営者になっていた」と語る氏が、
個人は手帳を使ってどうPDCAを回せば成長できるのかを語る。
「Do」から始めるPDCA
計画(Plan)→実行(Do)→振り返り(Check)→改善(Action)とPDCAを回していく際、実はこの順番通りPlanから始めるとうまくいきません。
大切なのは「C」の振り返りですが、振り返りは材料がなければできません。ですから私は「Do」から始めるようにしています。これは「実行」ではなく、「実行したことを把握する」という意味のDoです。
振り返りの材料は自分の行動ですから、まず行動を書き出します。私はいつも朝一番に、昨日1日の自分の行動を思い出して手帳に記入します。仕事についてはもちろん、プライベートについても書きます。この時、行動だけではなく、その時気づいたことや感じたことなども、どんどん書いていきます。
一通り書けたら、行動を改めて見直す。そこにあるのは嘘偽りのない自分の姿です。すると自然に「忙しいと思っていたけれど、意外と時間に余裕があるな」「会いたい人にうまいタイミングで会えていないな」といった「気づき」が生まれます。これが振り返り(Check)です。自分の行動を正しく把握して初めて、このような気づきが生まれます。気づきがなければ振り返りではありません。単に思い出すことと、振り返りは違うのです。
何か気づきがあれば、自ずと「集中できない時は一度、気分転換してみよう」「この課題については、もっと専門家の意見を聞いてみよう」といった考えが浮かんできます。それが「改善」(Action)です。改善案の次は、どうしたらその案を実行することができるのか、具体的な方法を考えます。それが「計画」(Plan)の段階です。
その日の行動はまた翌朝に振り返り、翌日の計画を立てます。もし思った通りに行動できていなければ、計画を修正してまた1日試す。つまり、「Do→Check→Action→Plan」を繰り返していくことが、目標に近づいていくうえで重要なのです。
なぜ「今年の抱負」は計画倒れに終わるのか
年頭に、何かしら目標を立てる方は多いと思います。企業も同じです。「今年はこんなことをしよう」「我が社はここに重点を置く」など、いろいろな抱負を考えるでしょう。ところが1年たってみると、ほとんど達成されなかったということがよくあります。