PDCAサイクルに基づく 絶えざる品質の向上と人財育成
“お客さまの一生涯のパートナー”であることを追求し、
「お客さま第一主義」を創業以来の理念として
掲げている第一生命保険。
同社では、全社でPDCAサイクルを回しながら、
絶えず経営品質の向上を図っている。
DSRは経営の取り組みそのもの
顧客の一生涯のライフステージをさまざまなチャネルを駆使してトータルサポートする「新・生涯設計」という戦略を打ち出し、業界トップクラスの生命保険会社として成長を続ける第一生命保険。同社が打ち出した「DSR経営」は、全社で大小さまざまなPDCAサイクルを回して絶えず品質の向上を図っていくという考え方を、社内の全ての取り組みに反映させるというもの。そして、同社の全ての取り組みはこの「DSR経営」の一環だという。このことについて、桝永慎一郎DSR推進室長は、次のように述べる。「当社は以前から一貫して、お客さま第一主義を経営理念とし、ここ数年はステークホルダーの皆さまに価値を提供し続けるCSR経営を標榜してまいりました。しかし、一般的にはCSRというと環境への対応であるとか、社会貢献活動のイメージが強く、当社が掲げる“CSR”と一般のイメージがかけ離れてきたことから、それならば当社独自のCSRを、自分たち自身の『DSR』(Dai-ichi’sSocial Responsibility:第一生命の社会的責任)という言葉にして全面的に打ち出していこうということになりました」(桝永氏、以下同)
2011年4月以降、同社ではCSRの取り組みを『DSR』と統一し、社内外に発信していく予定だ。
大小のPDCAを回す仕組み
DSRは、全ての現場でPDCAサイクルを回し、全社的に品質改善を進めるというもの。実際に、現場ではPDCAサイクルをどのように回しているのか。ここではその1つ、全社レベルでの大きなPDCAサイクルの例として、DSR推進委員会の取り組みを紹介する。
DSR経営の取り組みは、社長を委員長とするDSR推進委員会が母体となって推進している。同委員会の傘下には、課題ごとに計画策定・実行策の推進・進捗管理を行う専門委員会を設置し、各々の取り組みの実効性を高めている(図表1)。「各専門委員会は、それぞれステークホルダーの満足を高めるための課題は何かを考え、方策を立案し、実施し、振り返り、それを標準化し、次年度のさらなる活動につなげていきます。つまり、まさにPDCAサイクルを回しているわけです。そして各専門委員会は、その時々の進行状況をDSR推進委員会に上げ、そこで各専門委員会の進捗の確認や課題の抽出など、さらに大きな全社的なPDCAサイクルをDSR推進委員会として回す仕組みです」
DSR推進委員会と各専門委員会のPDCAサイクルが連動して、全体の大きなサイクルが回っているのだ。