TOPIC CPLP取得のススメ ~人材開発のプロになるために~
人材開発のプロの証明
CPLPとはCertified Professional in Learning and Performanceの略で、米国人材開発機構(ASTD、ATD※)」が推進する、人材開発に携わる専門家の育成・認定制度だ。教育研修手法などの人材開発の専門知識から、組織論や経営論などの関連知識まで、人材開発の専門家に必要な知識を網羅的に学んでもらうことで、人材開発のプロを育成することをめざしている。
CPLPの認証試験は、1次、2次の2回のテストから成る。
1次試験は知識テスト(Web経由で受験)。図に示すAOE(Areas Of Expertise)と呼ばれる10の専門領域について、基礎理論や実践的な知識が幅広く問われる。
2次は実務試験で、AOEの中から受験者が自ら選んだ専門領域に関して提出物を作成。その内容を評価される。
例えば、「Training Delivery(研修実施・運営)」を専門領域とする場合、実際に研修で講師をしている様子を録画した映像と、その講座の設計資料、またはコース設計の詳細仕様書が評価対象となる。
※ASTD(ATD):人材開発や組織開発、パフォーマンスに関するイベントや出版、認証などを行う非営利団体。2014年、「ATD(Association for Talent Development)」に名称を変更することを発表。米国に本部を置き、世界100カ国以上に約4万人の会員を擁している。「ASTDICE(International Conference and Exposition)」は、人材・組織開発に関する世界最大の会議&展示会として知られる。
日本人有資格者はわずか
CPLPの試験は2006年に始まり、2013年11月現在、世界で1604名が合格し、資格認定されている。1次、2次それぞれの試験の合格率は60~70%、両方を通じての合格率は50%程度といわれている。
先述の通り、人材開発関連の知識だけでなく、戦略など、企業・組織経営全般に関する知識も問われる。また1次も2次も、試験は全て英語で行われることから、日本人にとってかなりハードルの高い試験といえる。
2011年からは日本国内でも受験できるようになり、これまでに7名(日本人は3名)のみが認証を取得したようだ(所属国や人種で記録されていないため正確な数は不明)。このうちの2名が、NECマネジメントパートナーの森本太郎氏と青木麻美氏である。
同社では、2011年から認証取得をめざし、週1回、2時間ほどの勉強会を続けてきた。その結果、2013年10月に森本氏が、次いで今年4月に青木氏が見事合格を果たした。