人事の職場拝見! Vol.28 実効性ある研修がつくる “自ら育つ”風土と現場育成力
一般財団法人 東京都人材支援事業団 人材育成センターは都職員育成の総合的な実施機関であり、東京都総務局人事部から研修業務を受託、実施している。Off -JTに加え、OJTや自己啓発支援の他、都関連団体の職員育成も担い、都政全体を人材育成面で支えていた。
少数精鋭のプロ職員を育てる
東京都では“プロ職員”の育成を掲げ、都職員に、それぞれが担当する仕事において専門的知識と能力を高めたプロフェッショナルになることを求めている。人材育成センター研修課長(取材当時)の渡辺正敏氏はこう語る。「都職員には首都公務員として日本を牽引するという大きな役割もあります。国や民間団体・企業と伍して話し合える能力も職務上欠かせません。さらに、高まる都政への行政ニーズにも適切に応えながら、組織のスリム化を図り、より少ない人数で業務を担う体制へ移行しています。職員一人ひとりがこれまで以上に力を発揮する必要があるのです」こうした課題を抱える東京都において、人材育成の担い手となっているのが人材育成センターである。Off-JTの基礎となる職層別研修や幹部研修、専門研修の他、希望制の実践力向上研修など各年代、ステージに応じ、充実した研修を実施している。実施機関としてノウハウを蓄積し、着実かつ効果的な研修を提供するとともに、都人事部と密接に連携し、人事施策とも連動した形で、東京都の実情を踏まえた柔軟かつ適切な対応ができるのが強みだ。「当センターではOff-JTだけでなく、総合的に人材育成に取り組んでいます。幅広い事業を扱う都庁ではOff-JTはもとより、現場に即したOJTの取り組みや自己啓発の支援なども重要です。若手職員を中心に、自ら育つ風土づくりも大切にしています」