連載 グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第8回 哲学を学ぶ 「 東洋哲学」 日本理解に欠かせない源流
東洋哲学は、西洋哲学と異なり、現代社会の制度的成り立ちに直接かかわっているわけではない。また、現在の中国やインドのあり方をそのまま示す、ともいいづらい。日本人にとって、東洋哲学とは「自分自身の探求」に関する示唆をくれるものなのである。
東洋哲学を知ることの重要性
前回は、西洋の哲学とビジネスの関係について紹介し、西洋の哲学はそれが具体的な社会制度の形に昇華され、日本にも実際に影響を与えていることを指摘しました。
今回は、東洋哲学(思想)を扱います。日本は江戸末期の「開国」以降は、西洋の影響を強く受けましたが、その前までは、インドや中国から仏教・儒学・国の統治制度などさまざまなものを輸入してきました。日本を形づくった源流を知るという意味で、東洋哲学を知ることは欠かすことができません。
また、インドや中国は新興国としてこれからますます経済・文化の面で存在感を増してくることが予想されます。これらの国が現在も「伝統的な東洋風の思考原理」で動いているかは、すぐには判じかねるところですが、基本知識としての東洋哲学の必要性は高まっていくのではないでしょうか。