めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第19回 気がつけば定番スキル その1「資料作成力」編
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、
情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
今月から3号連続でビジネスパーソンの定番課題と言える必須テーマを取り上げていく。
第1回目のテーマは、ズバリ「資料作成力」である。
このスキルはなかなかやっかいで、なくては困るのだが、大抵の場合、体系立てて学ぶ機会はない。多くの方は自己流または先輩の資料を見習って作成する。会社によっては所定テンプレートを有しており、疑いもなく使い続けている場合もあるだろう。気がつけば「できること」が前提でさまざまな仕事が進んでいく。個人的には、若いうちから資料作成力を身につける取り組みが、人材育成の場でも重要だと考える。
本年6月号で「プレゼンテーション」を取り上げたが、そのプレゼンでもPowerPointやKeynoteといったソフトウエアが付きものであるし、企画書や社内資料ひとつとってもWordやExcelにお世話にならない日はないだろう。
その割には、実はしっかりとした資料作成ノウハウや考え方を学ぶ機会が少ない。そこから生まれる危機感は焦りとコンプレックスへつながる。また、オフィスツールを使いこなせても、「資料作成力」が身についているわけではないことにある時気づく。そうしたことがビジネス誌において、「資料作成力」が定番的に取り上げられる要因だろう。
さて「資料作成力」をテーマにした最近の書籍トレンドを整理しておこう。
①コンサルタント(特に外資系)による資料作成力本②敏腕マーケティング担当者による企画書作成指南本③企画書作成のプロによる指南書
なんといっても最近の大トレンドは①である。ここ数年外資系コンサルタントによる資料作成術書籍は本当に増えている(気がつけば我が家にも関連書はたくさんある……)。きっと誰もがそのタイトルに魅かれ、一度は手にしていると思われる。
ビジネスパーソンにとって、膨大な情報をわかりやすくまとめるために、高度なスキルや思考力を有するコンサルの知恵を活かさない手はない。似たようなタイトルの書籍でも技法や方法論が違うので、自分にしっくりくるやり方を「いいとこ取り」すればよい。外資系コンサルというフレーズで敷居の高さを感じる方も多いが、プロのやり方を「盗む」ことはスキルアップの最も近道と言えるだろう。